恋に落ちるその瞬間
ユウの強張った手が、私の顔のほうに伸びて来る。
そしてそれがいつの間にか私の頬を流れていた涙を拭った。
「ルイちゃんとの関係も、これで終わらせない」
「……!?」
「ルイちゃんと疎遠になるなんて、絶対にやだよ」
な、なんでそんなこと言うの……。
終わり、だよ。
だって私、ユウのこと好きなんだよ?
ユウのことはこれでキッパリ諦めようって決めたって、まだまだなんだよ。
「ルイちゃんは僕の正義の味方だから」
「え?」
「あの時。転校して来てすぐ、ルイちゃんがいじめられてる僕を助けてくれたでしょ?」
「うん」
「嬉しかったんだよ」
そうだよ。
ユウのことを守るヒーローになろうって誓ったんだもん。
「僕にとってルイちゃんは大切な友達だよ」