恋に落ちるその瞬間
『はじめまして』
そして二度目のその言葉に顔をあげる。
となりの席に座るユウが私に向かって微笑んでいる。
『よろしくね』
『よ、よろしく……っ』
ユウの微笑みが眩しくて、私は目をそらさずにはいられなかった。
……胸がドキドキして痛い。
どうしちゃったんだろう、私。
*
『お前男のくせにキモいんだよ!』
『女みたいなツラしやがって!』
ユウは女の子からは「可愛い」「イケメン」とやたら大人気だったけれど、男の子の友達がいなかった。
それどころかとことん嫌われていた。
どうしてそんなに?と言うほど。
ユウが男の子たちからリンチされているのを見たのは、ユウが転校して来てから一週間が経ったお昼休みだった。
『ちょ、アンタたち!!なにしてんのよ!!!』