恋に落ちるその瞬間



『はじめまして』



そして二度目のその言葉に顔をあげる。


となりの席に座るユウが私に向かって微笑んでいる。



『よろしくね』


『よ、よろしく……っ』



ユウの微笑みが眩しくて、私は目をそらさずにはいられなかった。


……胸がドキドキして痛い。


どうしちゃったんだろう、私。






『お前男のくせにキモいんだよ!』

『女みたいなツラしやがって!』



ユウは女の子からは「可愛い」「イケメン」とやたら大人気だったけれど、男の子の友達がいなかった。


それどころかとことん嫌われていた。


どうしてそんなに?と言うほど。


ユウが男の子たちからリンチされているのを見たのは、ユウが転校して来てから一週間が経ったお昼休みだった。



『ちょ、アンタたち!!なにしてんのよ!!!』



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