恋に落ちるその瞬間
「ユウ、先に行くよ!」
「あぁ、待って〜!」
移動教室や、お昼休み。
授業と授業の間の10分休みを私はユウと過ごすようになった。
「ねぇ、ルイちゃん」
「ん?」
「……僕のピーマン食べて」
隣の席で休憩を食べる彼が上目遣いでそう言って来た。
……うぅ。
本当は先生に好き嫌いしないで食べるようにって、言われてるんだけど。
私はユウのこの上目遣いにめっぽう弱くて。
断れなかった。
「仕方ない。いいよ」
「やったぁ!ありがと、ルイちゃん!」
……そして、この笑顔。
もともと垂れた目が、さらに優しくなって、癒される。