恋に落ちるその瞬間



「ユウ、先に行くよ!」


「あぁ、待って〜!」



移動教室や、お昼休み。
授業と授業の間の10分休みを私はユウと過ごすようになった。



「ねぇ、ルイちゃん」


「ん?」


「……僕のピーマン食べて」



隣の席で休憩を食べる彼が上目遣いでそう言って来た。


……うぅ。


本当は先生に好き嫌いしないで食べるようにって、言われてるんだけど。


私はユウのこの上目遣いにめっぽう弱くて。


断れなかった。



「仕方ない。いいよ」


「やったぁ!ありがと、ルイちゃん!」



……そして、この笑顔。


もともと垂れた目が、さらに優しくなって、癒される。


< 7 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop