恋に落ちるその瞬間



私にとってユウは初恋の相手だった。


初めて人を好きになった。


胸が熱くて、ドキドキして、苦しくて。
すごく、すごく……愛おしい。


できるなら、ユウのそばにずっといたい。


出逢ってから、ユウと過ごす毎日、一秒一秒が、大切すぎて。


交わす言葉ひとつも忘れたくない。


そう思えるほど、大好きだった。



『ははっ!ルイちゃん面白いねっ!』



純粋で、キラキラしてて。


ルイのおかげで私の毎日はすごく輝いた。


学年が上がっても私たちは仲良しで、中学に上がってからも、ふたりずっと一緒にいた。



『ルイちゃん、期末どうだった?』



背が少しずつ伸びて、大人っぽくなって行くユウにもようやく男友達ができて、女の子からの人気も絶大で。


少しずつ垢抜けていく彼に、私の恋心も加速していく。


……いつか言えたらいいな。


『好きだよ』って。

『ずっとそばにいさせてください』って。


ーーそう、思ってた。



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