恋に落ちるその瞬間
『ルイちゃんと同じクラスがよかったなぁ』
『そうだねー。でも昼休みも会いにいくし、平気でしょ?』
『うん!僕からも行くよ』
高校生になっても私たちの仲の良さは変わることはなかった。
『ねぇ、ルイちゃんって2組の北見くんと付き合ってるってほんと?』
そう、言われるぐらい。
だけど高校生になった一年目に、少しずつだけど私たちにある変化が訪れた。
ある日の、授業と授業の間の10分休み。
教材を片付けてトイレに向かっていた私の目に、ユウがうつって……。
『ユ……』
声をかけようとして、やめた。
と、いうか。
声がのどの奥に引っ込んでしまった。
な、に……?
『へぇ、そうなんだぁ』
『うん、だからねーー』
楽そうに、女の子と話をするユウの姿に胸にグサリとなにか鋭いものが刺さったかのような気持ちになる。