ずっと、君に恋していいですか?
定時になり仕事を終えた志信は、石田、前川、三井と一緒に、会社のすぐそばにあるちゃんこ鍋屋に足を運んだ。

個室に通され、店員が鍋の準備をしている間に、生ビールを注文して乾杯した。

「4人で飯食うのひさしぶりだな。」

「そうだな。みんなそれぞれ彼女と一緒にいる事が多いから。」

鍋の蓋の蒸気穴からは湯気が上がり、具材を煮込む音がグツグツと聞こえている。

「そういえば鍋なんて、笠松さんの家で季節外れの鍋やった時以来ですねぇ。」

三井が鍋の蓋を少し持ち上げて、煮え具合を確認しながら、湯気越しに志信の方をチラリと見た。

「ああ、やったな。誰かさんの失恋パーティーだったか?」

石田はジョッキを片手に楽しそうに笑う。

「そのおかげで笠松は卯月さんとうまくいったんだっけ?」

冷やかす前川の言葉に、志信は少し照れ臭そうに首の後ろを押さえた。

「まぁ…そうなんだけど…。もうその話はいいでしょう…。」


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