ずっと、君に恋していいですか?
もう、待てないんだ
久しぶりに二人でのんびりと連休を過ごした翌日。

本社の仕事初めの日、志信は決意も新たに仕事に取り組んでいた。

少しくらい頑張ったからといって急に何かが変わるわけでもないが、少しでも早く薫と一緒になるためには、日々の積み重ねが大事だと自分を奮い立たせる。

いつもより気合いを入れて、すごい速さで仕事をこなす志信を横目に、石田が呟く。

「笠松、頑張ってんなぁ…。」

「今年のオレは一味違いますよ。」

「なんで?隠し味でも入れたのか?」

「いつまでもこのままじゃ情けないですからね。とにかく頑張るって決めたんです。」

キーボードを叩きながら志信が決意表明をすると、背後からパソコンを覗き込む影があった。

「いい心掛けだな。」

「ぶっ…部長…。」

上田部長は顎をさすりながら、志信の手元の資料とパソコン画面を交互に見た。

「やればできるじゃないか。笠松、それが済んだら話があるから私の所に来るように。」

「ハイ…。」



昼休みの後、志信はSS部にいた。

販売促進課でキャンペーンのサポートをするようにと上田部長に言われたからだ。

SS部のオフィスで販売促進課のスタッフと一緒に、郊外のSSで1月中旬から2月末にかけて展開されるキャンペーンについて、資料にある山寺SSの見込み来客数や売上高の概算を基に、他のSSでのキャンペーンの規模や商品の仕入れなど、細かな設定をする。

(この完璧な資料、薫が作ったのか…。)




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