ずっと、君に恋していいですか?
二日後の夜。

薫が大阪での出張を終えて帰宅すると、部屋では志信が待っていた。

大阪土産に買った冷凍のたこ焼きを一緒に食べようと薫がキッチンで温めていると、志信がその後ろからギュッと抱きしめた。

「ん…?どうしたの?」

薫が尋ねても、志信は何も言わずに黙り込んでいる。

「志信…?」

薫が顔を上げると、志信は薫の頭を引き寄せ、強引に唇を塞いだ。

志信は噛みつくような激しいキスをして、薫を床に押し倒す。

「志信?!どうしたの、ちょっと待って…。」

「もう待てないんだ…。」

志信は薫を押し倒したまま、じっと薫の目を見つめた。

「薫…オレが遠くに転勤になったら…どうする…?」

「え…?」

志信の予期せぬ問い掛けに、薫は大きく目を見開いた。

志信が遠くに離れる事なんて考えた事もなく、どう答えればいいのか薫にはわからない。

黙り込んだまま何も答えない薫の体から手を離し、志信はため息をついた。

「何も言ってくれないんだな。」

志信は唇を噛みしめて、ポケットから紙切れを取り出した。

そして、それを広げて薫に差し出す。

「福岡支社のSS部に転勤が決まった。」

「えっ…?!」


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