ずっと、君に恋していいですか?
自分はきっと恋愛には向いていないのだなと思いながら、志信との思い出が詰まったこの部屋で、志信を想い、一人泣きながら眠る。

そうする事でしか、自分を保っていられない。

志信は今、どうしているだろう?

もう自分の事など忘れて、他の誰かと一緒にいるのかも知れない。

(志信はモテるから…もしかしたら、福岡支社にいる元カノとよりが戻ってたりして…。)

志信の隣には、女らしくない自分なんかより、かわいい人がお似合いだと薫は思う。

ほんの少しの短い間でも、その隣にいる相手に自分を選んでくれた事はとても嬉しくて、志信との時間は甘くて幸せだった。

あんなに好きになれる人とは、もう二度と出逢えないかも知れない。

できる事なら、このままずっと、志信だけを想って生きて行きたい。

例えそれが、もう上書きされる事のない記憶の中の志信でも。





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