ずっと、君に恋していいですか?
「石田さんこそ長野さんと会話噛み合うの?6つも歳離れてるけど。」

「当たり前だろ。ああ見えてあの子、割と大人だしな。ああ、そうだ。」

石田はジョッキを傾けビールを少し飲んだ。

「オレ、結婚するわ。」

そう言って、何事もなかったかのようにまたつみれを口に運ぶ。

「は……?」

「えっ…結婚…?」

「マジか…!!まだこの間付き合い始めたばっかじゃん!!」

「まぁ、そうなんだけどな。元々そのつもりだったから。」

驚くみんなに、石田はなんともない顔をしてさらりと答えた。

「結婚前提の付き合いってやつ?」

「“付き合って”じゃなくて“オレの奥さんになって”って言ったから。」

あまりにも唐突な石田の告白に、志信は思わずむせそうになる。

前川は開いた口が塞がらないという感じで、箸でつまんでいた椎茸を器にポトリと落とした。

「いきなりプロポーズかよ!!」

「それをOKしちゃう長野さんも何気にすごいな…。」

三井は興味津々の様子で少し身を乗り出した。

「で、具体的にはいつ結婚するんですか?挙式とか入籍とか。両親にはもう挨拶とかしたんですか?」

「挨拶は付き合ってすぐにな。入籍と挙式は来年の春だ。今はその準備中。」

「来年の春かー…。それにしても1年も経ってないじゃん。」

「ちょっと早いか遅いかって問題だろ?だったらダラダラ付き合うよりさっさと結婚した方がいい。元々そのつもりだったんだから。」

「そう…かな?」

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