ずっと、君に恋していいですか?
前川と三井が何を言いたいのか、志信はすぐにわかった。

「社内格差?」

「まぁ…そうだな。」

「卯月さんは仕事人間だから。」

「そうなんだよな…。」

ガックリと肩を落とす志信を、前川と三井は気の毒そうに見ている。

すると、石田は不思議そうに首をかしげて志信を見た。

「今更だろ?そんなの関係あるか?」

「オレには関係大有りです。」

「ふーん?でも笠松は、最初からそんな事、全部わかった上で卯月さんが好きなんだろ?」

「そうなんですけどね…。結婚ってなると、今のままじゃ…。同期だけど給料だって間違いなく彼女の方が多いでしょ。」

「まぁ、役職就きだからな。」

「そうなんですよね…。チーフって、どれくらいのランクなんですかね?やっぱ主任ですかね?」

「さあなぁ…。そういや、チーフなんて役職は卯月さん以外で聞いた事ねぇな。」

「でしょ?どれくらい頑張れば彼女に追い付けるのか…。」

箸を口に運びながら志信と石田の会話を聞いていた前川が、顔を上げずに尋ねる。

「本人には聞きにくいのか?」

「そうですね…。」

「じゃあ、今度ありさに聞いといてやる。」

「お願いします…。」




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