ずっと、君に恋していいですか?
新しい関係
翌朝。

ゆっくりと目覚めた二人は、愛しい人の温もりが隣にある幸せをかみしめながら、ベッドの中で何度も何度もキスを交わした。

もう2度と会えないとあきらめていた大切な人の腕の中で、薫は幸せの意味を考える。

(そう言えば…。)


“執着する古きもの手離して吉”


“良縁有り、流れに乗って吉”


薫はふと、初詣に行った時に引いたおみくじにあった言葉を思い出した。

そして、青木部長の言葉が蘇る。


“今度チャンスがあったら、何が一番大事か、心の命ずるままに動いてみたらどうだい?”


(ああ、そういう事か…。)

薫は志信の胸に頬をすり寄せた。

「ねぇ志信…。」

「ん?」

「私、会社辞める。」

「えっ?!」

薫の口から信じられない言葉が飛び出して、志信は思わず耳を疑った。

「志信と結婚して、福岡で一緒に暮らす。」

「ええっ?!」

志信は薫からの唐突なプロポーズに驚き、目を大きく見開いた。

「志信と離れてやっとわかったんだ、一番大切なものがなんなのか。一生懸命仕事してる私が好きだって志信が言ってくれたから、私は仕事を頑張れたんだよ。でも私は仕事に執着し過ぎて周りが見えなくなってた。仕事が理由で志信と離れるくらいなら、会社辞める。」


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