ずっと、君に恋していいですか？
薫は二人の女性スタッフと一緒に手際よく作業を進めた。

20分ほど経つと薫は時計を見て立ち上がった。

時計の針は11時半を指そうとしている。

「私は午後から本社で会議があるからそろそろ戻るけど…。これ、郵便番号別に仕分けるところまで頼むね。」

「ハイ。」

薫はスタッフジャンパーと鞄を手に取り、マネージャーの方を見た。

「マネージャー、彼女らがハガキの仕分けまでやってくれますので。郵便局に行く前に電話入れて、今日中に持ち込みして下さいね。でないと、キャンペーンに間に合いませんからね。絶対ですよ。」

「わかったよ。何から何まで気を遣わせて悪いねぇ。段取りがなかなかうまくいかなくて。」

薫よりひとまわりほど歳上のマネージャーは、手厳しい薫に苦笑いをしている。

「明日景品が届いた時に保管場所に困らないように、今日中にピットの片付けをしておいて下さい。」

「ハイ。」

「スタッフ全員にキャンペーンの説明、頼みますよ。」

「わかりました。」

まるで歳上の上司に指示を出されているかのように、マネージャーは薫の言葉に素直に返事をする。

「何かわからない事があったら、いつでも連絡下さい。次は金曜日に来ますね。それじゃ、失礼します。」


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