ずっと、君に恋していいですか?
「返事、いいのか?」

「いいです。喫煙室で待ってるってだけなんで。どうせ今から行くし。」

「まぁ…それもそうだな。」

薫からのメッセージを受け取ると、いつもの志信なら嬉々として返事をするのに、やはり昼休みの後から元気がない。

「重症だな…。」

「しょうがないんじゃないか?遅かれ早かれ、いずれは笠松が乗り越えなきゃいけない大きな壁なんだよ。」

「無事に乗り越えられる事を祈ります…。」






ようやく志信が着いた頃には、薫は再び喫煙室の前で待っていた。

「お疲れ様。今日は遅かったね。」

「ああ…うん、お待たせ。」

「待ちくたびれたよ?」

「…ごめん。」

いつもなら“ごめんごめん、肉まんでもおごるよ”などと笑って言うのに、やはり夕べから様子がどこかおかしいと、薫は心配そうに志信の顔を見た。

「どうかした?具合でも悪い?」

「いや…大丈夫。」

「ホントに?無理しないでよ。」

「…ホントに大丈夫だから。帰ろうか。」

無理をして作り笑いを浮かべながら薫と並んで帰っていく志信の背中を眺めて、石田、前川、三井の3人は大きなため息をついた。

「不憫だな…笠松…。」

「顔に全部出てるって…。」

「あれじゃ全然大丈夫じゃないのがバレバレです…。」




< 34 / 187 >

この作品をシェア

pagetop