ずっと、君に恋していいですか?
薫は自宅に帰り就いてシャワーを浴びると、冷蔵庫にあった食材で適当に料理を作り、ビールを飲みながら一人で夕飯を済ませた。

一人分の食器をあっという間に片付け終わり、飲みかけのビールを一口飲んで、タバコに火をつけた。


昨日といい、今日といい、志信の様子が明らかにおかしいのはなぜだろう?

(毎日でも一緒に御飯食べたいって言ってたのに…。やっぱり私、何か志信の気に障るような事したのかな…。)

昨日会いに来た時に拒んだ事を怒っているのかも、とも思ったが、今更そんな事であんなに落ち込んだりしない、とも思う。

(志信の考えてる事が全然わからないよ…。なんで何も言ってくれないんだろう…。)

ため息混じりにタバコの煙を吐き出して、ビールを飲む。

いつもなら二人でビールを飲みながら食事をして、他愛ない話をして笑って過ごすのに、一人の部屋はやけに静かで、食事だけでなくビールさえ味気ない。

(いつも一緒にいるのが当たり前みたいになってる…。志信がいないと…やっぱり寂しいな…。)

薫はなんとなく、志信がくれた指輪を眺めた。

昨日後輩たちと食事をしていた時に聞いた話をふと思い出す。

(長野さん、結婚するって言ってたっけ…。)

梨花は付き合う以前から石田と仲良くしていて、友人として接しているうちに石田の事を男性として好きになったと言っていた。



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