ずっと、君に恋していいですか?
翌日は、仕事の後に二人でスーパーに寄って買い物をした。

薫の家で二人並んでキッチンに立ち、一緒に夕飯の支度をした。

「志信、すごく上手になったね。」

「そうかな。少しは役に立つようになった?」

「すっごく助かってるよ。」

薫は包丁を持つ手を止めて、志信に笑顔を向けた。

会社では決して見せる事のない安心しきった薫の笑顔を見て、志信は愛しそうに微笑む。

(かわいいな…。ずっとオレの隣で、こんなふうに笑って欲しい…。)

薫は包丁を置いて、濡れた手をタオルで拭き、上の棚から中華鍋を取ろうと手を伸ばした。

志信はその上に手を伸ばし、ヒョイと中華鍋を取り出す。

「これでいいの?」

「うん、ありがとう。」

薫が志信の手から受け取った中華鍋をコンロの上に置くと、志信は薫を後ろからギュッと抱きしめた。

「志信…?」

「薫…ずっと、オレのそばにいてくれる?」

頬に口付けて切なげに尋ねる志信の手を、薫はそっと握った。

「一緒にいるよ、ずっと。」

「うん…。好きだよ。」


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