ずっと、君に恋していいですか?
いつも美味しい料理を作ってくれる薫のためにたまには奮発して、豪華なディナーにでも連れ出してみようか。

甘い物が苦手な薫でも美味しく食べられるようなクリスマスケーキを用意してみようか。

プレゼントは何がいいだろう?

あまり物欲のない薫はプレゼントなんて要らないと言いそうだが、気持ちだけでも何か薫の喜ぶような物をプレゼントしたい。

(ああ、そうだ…ルームウェア…。)

せっかくだからクリスマスに渡すのもいいかななどと、志信は薫との初めてのクリスマスに思いを馳せる。


しかしクリスマスと言えば年末だ。

薫の事だからクリスマスなんかそっちのけで、繁忙期のSSを駆け回り、仕事に没頭しているかも知れない。

(仕事が忙しすぎて、オレの事まで忘れたりして…。)

まったくないと言い切る自信のない自分が、少し情けない。

いつか薫が仕事を選んで自分から離れていってしまうのではないかという不安を、拭いきれないでいる。

(はぁ…情けない…。オレって昔からこんなだったっけ?いや、違うな…。)


昔はもっと、自分に自信があったような気がする。

いつも割と途切れる事なく彼女がいて、社内恋愛もしたし、そこそこ遊んだ。

それなりにはモテたとも思うし、彼女にフラれたらどうしようとか、彼女はホントにオレの事好きなのかなとか、思った事もなかった。


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