ずっと、君に恋していいですか?
志信は不安を打ち消そうと、少し強引に薫を押し倒し、噛みつくように唇を重ねた。

いつもより激しい突然のキスに薫は戸惑う。

唇を首筋に這わせ、強引にたくしあげたシャツの裾から滑り込んだ志信の手を、薫は慌てて止める。

「ちょっと待って、志信…。」

「待ちくたびれた。もう待てない。」

「シャワーくらい浴びさせてよ…。」

「こんなに待ったのにまだ待てって言うの?」

「お願いだから…もうちょっとだけ待って。」

志信は困った顔でお願いする薫の顔をじっと見つめた後、ため息をついて薫の体から手を離した。

(オレは今すぐ薫が欲しいのに…。)

「ホントにもう少しだけだから。」

「うん、わかった。」

薫が着替えを持ってバスルームに向かうと、志信はタバコに火をつけビールを飲み干した。

(かっこ悪…。薫と一緒にいるの久しぶり過ぎて、全然余裕ない…。薫がシャワー済んだら、オレもシャワー浴びて少し落ち着こう…。)




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