ずっと、君に恋していいですか?
志信は入社してからの2年間、鵜川橋SSに勤務していた。

その時、同じ鵜川橋SSに勤務していた坂元 渚(サカモト ナギサ)は短大卒の1年先輩で、志信よりひとつ歳下。

志信が鵜川橋SSに勤めて半年が経った頃、渚と付き合い始めた。

その3ヶ月後に渚は本社の広報部に転勤になり、休みがなかなか合わなくなると、だんだん会う回数が減っていった。

結局、半年もしないうちに別れてしまったのだが、志信が入社3年目に朝比奈SSに転勤になった後、渚は博多にある福岡支社の広報部に転勤になったと、鵜川橋SSにいた時の同僚から聞いた。


「お互い若かったねぇ。」

「付き合いだした頃、オレは新入社員だったからな。」

「すぐに私が転勤になって、別れちゃったけどね。」

渚は女将さんから揚げ出し豆腐を受け取りながら、懐かしそうに笑う。

「やっぱあれか?同じ勤め先で付き合ってると引き離されるのかな?」

「どうだろうね。元々私は本社勤務希望だったし。その後、福岡支社に転勤になったけど。」

「なんでだろう?」

「福岡支社が新しくできる事になったからでしょ?既婚者より転勤させやすいから、独身の社員があっちこっちから集められてた。」

「ふーん…。なるほどな。」


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