ずっと、君に恋していいですか?
自分の過去の恋愛を振り返ると、志信は急に薫との事が不安になる。

(いやいや…。オレと薫は同じ本社勤務だけど部署は違うし、すぐ近くに住んでるし…大丈夫だよな?)

そう思うものの、すぐ近くに住んでいるのに、薫と一週間ほどまったく会えなかっただけで不安になった。

一緒にいても、薫がいつか自分から離れていくのではと怯えている自分がいる。

こんな気持ちは誰にでもあるものだろうか?


「あのさぁ…一緒にいても不安になる事ってある?」

「何、急に?」

「いや、なんとなく。」

(今のオレがそうなんだとは言えないな。)

渚はビールを飲んで、少し考えるそぶりを見せた。

「一緒にいても不安になるなら、離れたら尚更うまくいかないんじゃない?だから志信くんとはうまくいかなかった。」

「え?」

突然自分との過去の恋愛の話をされ、ビールを飲んでいた志信は驚いてむせそうになる。

「志信くんに愛されてる自信がなかったから。私は志信くんの事、すごく好きだったよ。でも志信くんはそんなに本気で好きじゃなかったよね、私の事。」

「……どうかな。」

(確かにそうだけど…。そうだよ、とは言いづらいな…。)


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