ずっと、君に恋していいですか?
志信は走って追いかけ、薫を後ろから抱きしめる。

「帰るから、離して…。」

「薫、ちゃんとオレの話を聞いて。」

「言い訳…?」

「言い訳でも謝罪でもなんでもするよ!とにかくこのまま一人で行くな!!」

志信はグイグイと薫の手を引いて歩いた。

「痛いよ、志信…。」

「だって今手を離したら、薫はどっか行っちゃうだろ?」

「…行かないから…。」

「ホントに?」

「うん…。」

志信は掴んでいた薫の手を、いつものように指を絡めて握り直した。

「オレがこうして歩きたいのは薫だけだよ。」

「……。」

「…信じてもらえないか…。」

「だって…。」

「ちゃんと話すから。」

付き合う前に、薫が浩樹にキスされている場面に遭遇して、よりを戻したんだと勘違いしてしまった事があったのを思い出し、志信は小さく苦笑いを浮かべた。

(前と立場が逆になったな…。)






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