ずっと、君に恋していいですか?
薫はコーヒーを飲みながら、志信の話を黙って聞いていた。

「今日あった事は全部話した。わかってくれた?」

「うん…。志信とあの人がキスしてるの見たら頭が真っ白になって…わけがわからなくなっちゃった…。」

「キスしたんじゃなくて、されたの。まぁ…薫も経験あるからわかると思うけど?オレも薫の気持ちわかるし。」

志信の言いたい事がわかると、薫は少し膨れっ面で呟く。

「志信…意地悪だね…。」

「冗談だよ。オレ、また薫を不安にさせちゃったな…ホントごめん。」

「ビックリしたけど、もう大丈夫…。志信、ちゃんと話してくれたから。」

薫は少し落ち着いたのか、穏やかな表情で微かに笑みを浮かべた。

「夕べと…今日も、ごめんね。ちょっとだけ待ってって自分で言ったのに…眠っちゃうし、長い時間待たせちゃって…。」

志信は申し訳なさそうに謝る薫を抱きしめて頭を撫でた。

「働き詰めだったもんな。疲れてたんだろ。薫が頑張ってたのはわかってるよ。」

「でも…せっかく来てくれたのに…。」

「まぁ…寂しかったけどな。」

「ごめん…。」

「いいよ、もう。オレは薫がいてくれたら、それだけでいいんだ。」


< 77 / 187 >

この作品をシェア

pagetop