ずっと、君に恋していいですか?
志信の指先が、薫の頬をそっと撫でる。

「こんなかわいくない私でいいの?」

ためらいがちに尋ねる薫の頬に、志信は軽く口づけた。

「かわいいよ。会社の人がなんて言おうが、オレといる時の薫はめちゃくちゃかわいい。」

「やっぱり志信って物好き…?」

薫が照れ臭そうに目をそらすと、志信はおかしそうに笑った。

「物好きじゃなくて、薫好きなんだって。前も言ったろ?」

志信は薫の唇にそっと唇を重ねた。

優しくついばむようなキスをして、額と額をくっつける。

「薫、好きだよ。」

「私も志信が好き。」

志信は思いきって、思っている事を素直に言ってみようと、少しためらいがちに口を開く。

「オレ…薫と一緒に暮らしたい…。」

志信からの思いもよらぬ言葉に、薫は驚いて息を飲んだ。

「……うん…。」

薫がうなずくまでの、ほんの少しの間が志信は気になった。

ただ驚いたのか、それとも返事に困ったのか。

やっぱり仕事の事を考えたのか。

もしかしてそんな気はないのに、断りづらかったから一応うんと言ったのか。

ネガティブな考えばかりが次々と浮かぶ。

「…イヤ?」

「イヤなわけないよ。ただ…。」

「ただ?」

「今すぐって言われたら…。」

「無理って事?」

「うん…。」


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