ずっと、君に恋していいですか?
志信はため息をついて、薫から手を離した。

(やっぱり仕事か…。)

これから年末年始にかけて忙しくなる事を考えたのか、それとも他に理由があるのか。

薫がなぜ今すぐは無理と言ったのかはわからないが、志信はなんとなく苛立って、もうこの話はやめようと思った。

「腹減ってるだろ?なんか食いに行くか。」

「うん…。」




二人で近所の中華屋で食事を済ませ、志信は薫をマンションまで送り届けて自宅に戻った。

シャワーを浴びて、ビールを飲みながらタバコに火をつけた。

(少しでも長く一緒にいたいって思ってるの、オレだけなのかな…。)

付き合っていてもどこかで線を引かれているような気がして寂しくなる。

いきなり結婚しようとは言えないけれど、せめて一緒に暮らせたら、この不安も和らぐかも知れないと思っていた。

だけど、自分だけがそれを望んでいるのだと思い知らされたような気がした。

もう少し時間をかけなければいけないのだろうか?

どれくらい待てば薫の安心して帰る場所になれるのだろう?


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