ずっと、君に恋していいですか?
仕事の後や休日はいつも一緒に食事をしている志信と薫にとって、外食する時には当たり前になっている事なのだが、石田と梨花はあまりにも自然なそのやり取りに、思わず顔を見合わせた。

「なんて言うか…すっかり落ち着いちゃってる感じ?」

「もはや熟年夫婦…?」

黙々とおかずを口に運んでいた薫が、箸を止めて石田の方を見た。

「なんの事ですか?」

「いえ、なんでもありません。」

薫は怪訝な顔をして豚汁をすする。

志信は口を動かしながら、蛇に睨まれた蛙のようになっている石田を、不思議そうに眺めている。

「笠松、今日、ひさしぶりに男4人で晩飯でもどうだ?」

石田は志信の方を向き、取り繕うように笑って話題を変えた。

「今日ですか?」

志信はチラリと薫の顔を見る。

薫がうなずくと、志信は石田の方を向いた。

「いいですよ。どこ行きます?」

「寒くなってきたし、そこのちゃんこ鍋屋にするか。予約しとくわ。」

相変わらず黙々と食事を続ける薫に、梨花は笑って声を掛ける。

「卯月さん、私たちも女子4人で晩御飯行きませんか?」

「女子って…別にいいけどあんまりオシャレなところはやめてね。落ち着かないから。」

「じゃあ、モールのダイニングバーにしましょう。」

「ダイニングバーね…。」

(要するに居酒屋だよね?)






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