君はオレを好きになる。
上がるとテーブルには今日買ったばかりのランチョンマットがひかれ、その上にはフォークとスプーンが置かれていた。
買ったばかりの食器や箸やスプーン類はペアの物を選んだ。
ペアって彼氏彼女みたいで、なんだか悪い様な気がして言ってみたけど、
「そっちの方がかわいいでしょ!?」
と、言われてしまった。
かわいいという感覚で選んでるのなら、そこまで拒否るのも悪い。
俺はテーブルに置かれた、それらを見てやっぱりニヤついてしまった。
「出来ましたぁ。」
椅子に着くなり向日葵はオムライスの皿を置いた。
見た目は、あの時と同じ。
隣にはサラダが置かれた。
「瑛斗さんお思い出の味に近いといいんですが…。」
「食べていい?」
心がウキウキする。
一口食べると、幸せが広がった。
自分でも驚いた。
俺にオムライスをくれた人は俺が10歳の時に施設を辞めた。
それから俺は、オムライスを食べなくなった。
久しぶりに食べたからとかじゃない。
あの時食べたオムライスそのものだった。
「どうですか?」
「あぁすげぇ美味い!!」
「よかったです。」
俺の反応を待ってたのか、俺の言葉を聞いて向日葵は食べ始めた。
家の電話が鳴った。
杉本さんからの電話だとディスプレイに表示されていた。
「もしもし…。」
「お前携帯出ろよ。」
「あぁごめん。で、何?」
「休めって言ってなんだけど、明日仕事入った。ごめん、結局一日しか休み取れなかったわ。」
「うん。いいよ。一日だけでも休めたし。じゃ何時?」
「朝8時に迎えに行くから。」
「わかった。じゃね。」
「はい。お疲れ!」
電話を切ると向日葵が「仕事ですか?」と聞いてきた。
「うん。明日8時に出る事になった。」
「わかりました。朝ご飯はどうしますか?」
「いや、朝は食べないから、ゆっくり寝ててくれていいよ。」
「了解です。」
「じゃ俺、そろそろ寝るよ。」
キッチンで後片付けをしている向日葵に声をかけた。
「はい、私もここが終わってお風呂に入ったら寝ます。」
「うん。じゃおやすみ。」
「はい、おやすみなさい。」
瑛斗が寝室に入って、暫くすると向日葵は片付けを終えると、着替えを取りに部屋に戻った。
部屋を開けると、瑛斗が替えてくれたカーテンが風でなびいている。
向日葵は窓を閉めるとカーテンに触れた。
「うん。やっぱりこの色いい…。」
向日葵は部屋を出ると浴室に向かいお風呂に入った。
広々とした浴室は入っていると優雅な気分になれた。
ふと見ると瑛斗のシャンプー類の横に、自分の物も並べられていた。
向日葵はそんな当たり前の様に並んで置いてくれた瑛斗を嬉しく思った。
「私…瑛斗さんが…。」
そこまで言って確信になった想いに恥ずかしさが、込み上げてくる。
瑛斗さんは女不自由はしてないと言っていた。
「私の裸見たんだ…。」
記憶にないとはいえ、その事実にどうして良いかわからなくなる。
瑛斗さんは、どんな女性が好きなんだろう?
私みたいな子供に興味は持てない?
もう少し胸、大きい方がいいのかな?
考えても答えなんて出て来ないのに、考えが止まらない。
苦しくて苦しくて辛くなる。
この家にいる以上そんなこと聞けない。
ましてや瑛斗さんの恋人になんてなれない。
きっと、付き合ってる人いるはず…。
向日葵は考えにキリがないとわかっていても頭の中で渦巻く疑問を拭いされないまま、外に出た。
着替え終わり髪を乾かし脱衣所を出た。
寝る前に水飲もうとリビングに行く。
飲み終えリビングを出ると瑛斗の寝室から声がした。
ドアに耳を押し当て声を聞いた。
何かにうなされている様な声。
ゆっくり静かにドアを開けた。
小さな灯りの中、瑛斗が眠っている。
「瑛斗…さん?」
うなされて続けている瑛斗に声をかけた。
向日葵は瑛斗の隣に座ると、瑛斗の体を揺すってみた。
瑛斗はうわ言のように繰り返し「待って」を言っていた。
「瑛斗さん?瑛斗さん!」
その声にうっすら目を開けた瑛斗を起きたと思った。
「うなされてましたよ。大丈夫で……。」
「向日葵…。」
声をかけている途中で瑛斗は向日葵に抱きつくと引き寄せた。
「…瑛斗さんっ!?」
向日葵の腕の中で瑛斗は寝息を立てた。
さっきまでの、うなされていた瑛斗は嘘の様に消え、心地良さそう眠っている。
退かそうとしても、しっかり自分を抱きしめている腕を振り解けない。
「まっいっか…。」
向日葵はドキドキしながらも瑛斗のそばにいれる事が嬉しかった。
それにこれは不可抗力だと自分に言い聞かせた。
向日葵は瑛斗の髪に触れた。
サラサラとした髪が指に触れて気持ちがいい。
こんなに近くで瑛斗を見るなんて思ってもいなかった。
「睫毛…長い…。」
睫毛だけじゃなく、肌も綺麗。
やっぱりこの人綺麗な顔立ちなんだと思った。
買ったばかりの食器や箸やスプーン類はペアの物を選んだ。
ペアって彼氏彼女みたいで、なんだか悪い様な気がして言ってみたけど、
「そっちの方がかわいいでしょ!?」
と、言われてしまった。
かわいいという感覚で選んでるのなら、そこまで拒否るのも悪い。
俺はテーブルに置かれた、それらを見てやっぱりニヤついてしまった。
「出来ましたぁ。」
椅子に着くなり向日葵はオムライスの皿を置いた。
見た目は、あの時と同じ。
隣にはサラダが置かれた。
「瑛斗さんお思い出の味に近いといいんですが…。」
「食べていい?」
心がウキウキする。
一口食べると、幸せが広がった。
自分でも驚いた。
俺にオムライスをくれた人は俺が10歳の時に施設を辞めた。
それから俺は、オムライスを食べなくなった。
久しぶりに食べたからとかじゃない。
あの時食べたオムライスそのものだった。
「どうですか?」
「あぁすげぇ美味い!!」
「よかったです。」
俺の反応を待ってたのか、俺の言葉を聞いて向日葵は食べ始めた。
家の電話が鳴った。
杉本さんからの電話だとディスプレイに表示されていた。
「もしもし…。」
「お前携帯出ろよ。」
「あぁごめん。で、何?」
「休めって言ってなんだけど、明日仕事入った。ごめん、結局一日しか休み取れなかったわ。」
「うん。いいよ。一日だけでも休めたし。じゃ何時?」
「朝8時に迎えに行くから。」
「わかった。じゃね。」
「はい。お疲れ!」
電話を切ると向日葵が「仕事ですか?」と聞いてきた。
「うん。明日8時に出る事になった。」
「わかりました。朝ご飯はどうしますか?」
「いや、朝は食べないから、ゆっくり寝ててくれていいよ。」
「了解です。」
「じゃ俺、そろそろ寝るよ。」
キッチンで後片付けをしている向日葵に声をかけた。
「はい、私もここが終わってお風呂に入ったら寝ます。」
「うん。じゃおやすみ。」
「はい、おやすみなさい。」
瑛斗が寝室に入って、暫くすると向日葵は片付けを終えると、着替えを取りに部屋に戻った。
部屋を開けると、瑛斗が替えてくれたカーテンが風でなびいている。
向日葵は窓を閉めるとカーテンに触れた。
「うん。やっぱりこの色いい…。」
向日葵は部屋を出ると浴室に向かいお風呂に入った。
広々とした浴室は入っていると優雅な気分になれた。
ふと見ると瑛斗のシャンプー類の横に、自分の物も並べられていた。
向日葵はそんな当たり前の様に並んで置いてくれた瑛斗を嬉しく思った。
「私…瑛斗さんが…。」
そこまで言って確信になった想いに恥ずかしさが、込み上げてくる。
瑛斗さんは女不自由はしてないと言っていた。
「私の裸見たんだ…。」
記憶にないとはいえ、その事実にどうして良いかわからなくなる。
瑛斗さんは、どんな女性が好きなんだろう?
私みたいな子供に興味は持てない?
もう少し胸、大きい方がいいのかな?
考えても答えなんて出て来ないのに、考えが止まらない。
苦しくて苦しくて辛くなる。
この家にいる以上そんなこと聞けない。
ましてや瑛斗さんの恋人になんてなれない。
きっと、付き合ってる人いるはず…。
向日葵は考えにキリがないとわかっていても頭の中で渦巻く疑問を拭いされないまま、外に出た。
着替え終わり髪を乾かし脱衣所を出た。
寝る前に水飲もうとリビングに行く。
飲み終えリビングを出ると瑛斗の寝室から声がした。
ドアに耳を押し当て声を聞いた。
何かにうなされている様な声。
ゆっくり静かにドアを開けた。
小さな灯りの中、瑛斗が眠っている。
「瑛斗…さん?」
うなされて続けている瑛斗に声をかけた。
向日葵は瑛斗の隣に座ると、瑛斗の体を揺すってみた。
瑛斗はうわ言のように繰り返し「待って」を言っていた。
「瑛斗さん?瑛斗さん!」
その声にうっすら目を開けた瑛斗を起きたと思った。
「うなされてましたよ。大丈夫で……。」
「向日葵…。」
声をかけている途中で瑛斗は向日葵に抱きつくと引き寄せた。
「…瑛斗さんっ!?」
向日葵の腕の中で瑛斗は寝息を立てた。
さっきまでの、うなされていた瑛斗は嘘の様に消え、心地良さそう眠っている。
退かそうとしても、しっかり自分を抱きしめている腕を振り解けない。
「まっいっか…。」
向日葵はドキドキしながらも瑛斗のそばにいれる事が嬉しかった。
それにこれは不可抗力だと自分に言い聞かせた。
向日葵は瑛斗の髪に触れた。
サラサラとした髪が指に触れて気持ちがいい。
こんなに近くで瑛斗を見るなんて思ってもいなかった。
「睫毛…長い…。」
睫毛だけじゃなく、肌も綺麗。
やっぱりこの人綺麗な顔立ちなんだと思った。