君はオレを好きになる。
起きろと言わんばかりに目覚ましのアラームが鳴り響く。

手探りで時計を探す。

「ん?なんだ?」

手に柔らかい感触。

これって……。

瑛斗はその感触に覚えがあり飛び起きた。

いるもなら目が醒めるまで時間がかかるのに、その姿を見たとたん眠気は吹っ飛んだ。

「な…なんで?」

『ってか、俺…今触った?向日葵の胸…触った!!』

心臓がバクバク、リズムを刻み出した。

ベットの端に座ると向日葵に背を向け考えた。

「なんで、ここに向日葵が居る?寝室間違えた?いや、離れて部屋を間違えないだろ…じゃ夜這い?17の女の子がそんな事しないし、する理由もない…じゃなんで?」

ブツブツと独り言を繰り返してる瑛斗の肩向日葵はポンポンと叩いた。

「うわぁ!!」

「…おはようございます。」

笑う向日葵に瑛斗は強気に出た。

「おはようございます。じゃねーよ!なんで、お前ここに居るんだ!?」

「ごめんなさい。昨夜お風呂から出たら瑛斗さんのうなされている声聞いて、心配になって見に来たら、瑛斗さんが私を引っ張って…動かそうにも動かせなくて…そのまま寝てしまいました。」

朝から刺激が強すぎる…Tシャツから覗く鎖骨が、半パンから見える足が…理性を壊そうと攻撃して来る!!

「とにかくなんでもいいから、出て行けよ!俺出掛ける準備するんだから!」

ドア向かって指差した。

「はいっ!」

向日葵は勢いよくベットから降りるとドアに向かった。

が、すぐにふらつき倒れそうになった。

「あぶね!」

瑛斗は咄嗟に向日葵抱きしめ支えた。

「ごめん…なさいい…。」

『ヤバイ…こいつ下着つけてない…?!』

シャツ越しに感じる感触は何もつけてない事を瑛斗手に知らせてきた。

「大丈夫です…ちょっと目眩しちゃっただけなんで…。」

瑛斗は黙って向日葵抱き抱えると自分ベット寝かせた。

「本当に大丈夫です。」

「いいから、ここで横になっとけ。ゆっくり起きたらいいから。」

「はい…。」

向日葵は顔までシーツ引っ張り顔を隠した。

「瑛斗さん…。」

「何?」

出て行こうとする瑛斗を引き止めた。

「こっち向かないで聞いてください。」

瑛斗は廊下目線を戻した。

「私…瑛斗さんを好きになっていいですか?」

「………。」

「あっその恋愛とかじゃなくて…一人じゃないって、そうしたら一人じゃないって言ってくれたから…。」

無言の瑛斗に強くなり、咄嗟に嘘の理由を言った。

「向日葵の好きにしたらいいよ。じゃ俺仕事行くから。」

パタンとドアの閉まる音が向日葵の心を激しく叩いた。

「なんで、あんな事言っちゃったのかな…。」

後悔が向日葵を激しく責める。


瑛斗はドアを閉めると、思いっきりガッツポーズをした。

『やっぱり向日葵は俺が好きなんだ!!いつから?いつからだ?いや、そんなのいつからでもいいじゃん!』

瑛斗はドアの向こう側で静かに泣いてる向日葵に気づかない。

瑛斗は考えた。

今から杉本に電話をかけ、2時間、いや1時間迎え送らせて貰おうと。

直ぐさま杉本に電話をかけた。

「お願い!杉本さん!!」

「あぁわかったわかった。じゃ9時行くから。そのかわり、ちょっとハードになるからな!」

「ありがとう!」

電話を切ると瑛斗は深呼吸した。

ドアノックする。

返事がない。

「向日葵?出るの1時間延びて9時になったんだ…だから、朝食一緒にどうかな?」

ドア越しに声をかけたが返事がない。

「寝ちゃった?」

瑛斗はゆっくりドアを開けた。

ベットの上で泣きじゃくる向日葵を見て慌てた。

「向日葵どうした?どっか痛いの?」

「嫌いにならないで…。さっき言った事忘れてください!!」

「なんで?俺忘れたくないんだけど…。」

「私ここに居たい…瑛斗さんのそばに居たいんです。だから迷惑なら、私が言った事忘れて…。」

「ちょ…ちょっと待て!俺、別に迷惑なんて言ってないだろ?!」

「だって…迷惑だったから好きにしていいって言って…言ったん…でしょ?」

瑛斗はキリがないと思った。

泣きまくって今向日葵言葉じゃ駄目だと思った。

「あぁもうっ!」


泣いてる向日葵の顔を上げさすと無理矢理にキスをした。

「こうゆうことだから…!!」

真っ赤な顔で瑛斗は言った。

向日葵はそんな瑛斗を見て泣き止むと、嬉しさが込み上げてきた。

「もしかして、瑛斗さんって私が…好き?」

「あぁ多分お前を拾った時から、好きだよ。」

「瑛斗さん!!」

向日葵はまた泣き出した。

よく泣く子猫だな…。

「だから、ずっとここに居ればいい。俺と一緒に居よう。」

向日葵黙って頷いた。


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