奇聞録(冬)



様々な廃墟を旅する内に、実際に廃墟で暮らし始めた友人が居た。


何故、過去形なのかと言うと、
火事のあったホテルに住んだ日から、異様な喉の乾きを訴え、水を飲んでも癒えず、最終的に焼身自殺をしてしまったのだ。


その廃墟のホテルは未だに残っている。


私の友人は念願かなって廃墟に住み続ける事が出来たのだろう。


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