流れ星スペシャル
掛け声とともに、鉄板に差し出されたチリトリと呼ばれる大きなコテ。
そこに、まず一人前の豚玉を載せてやる。
「5番さん豚玉お願いしまーす」
「はいよーっ」
ホールの子が、それをそのまま客卓の鉄板へと運ぶんだ。
5番ってのは、客席のテーブルナンバーのこと。その番号を聞いて、どの席へ運べばいいのか判断するんだ。
「続いて2番さん、餅チーズね」
「はーい」
別の子が差し出すチリトリに、もう一枚のお好み焼きを乗せた。
空になった鉄板に、店長の指示が飛ぶ。
「次ホルモンうどん10番焼いて。あと、焼きそば3番、とんこつ味で」
やっと普通に仕事モードだ。
「はいよっ」
オレも大きく声をあげた。