流れ星スペシャル
思いのほかの優しい言葉に、オドオドして答えると、トシさんは鉄板から視線を外し、なんとボクを見てクスッと笑った……!
「じゃ、今、水だけ飲んどいで」
「え?」
「初めてやろ? こんなに焼いたん」
「は……はい」
そのまま鉄板を任せて裏へ行き、ウォータークーラーの冷水をグラスにいれて飲み干した。
クワ―――ッ、い、生き返る……!
緊張とこの忙しさと鉄板の熱気に目が回って、たぶんボクは悲愴な顔をしていたんだろう。
トシさんはそれをわかって、一息つかせてくれたんだと思う。
なんか……富樫さんに聞いてたんと全然ちがうねんけど……。
焼き場に戻るとトシさんは、やっぱこっちを見ずに声をあげた。
「ユースケ、1番、ブタ玉1丁」
「はいよっ」
なぜかめっちゃ威勢よく答える自分に、ちょっと笑ってしまった。