流れ星スペシャル
「すげ……」
オレの作った塩焼そばをチリトリに乗せるとき、新人のバイトの子がつぶやいた。
そりゃそーやろ。
オレの作る料理は、味も見た目もスピードも、すべてにおいて店長の作るそれより勝っている。
それを一番よくわかっているのは、たぶん富樫店長本人だ。
だからあいつはオレを邪険にする。
さっきみたいに『別に必要ないけど、お情けでシフトに入れてやっている』というポーズを取りたがるんだ。
オレを頼りにしているということを、他のスタッフに悟られたくないんだろーな。
そのくせ週末、店が噴きそうな時間には、必ずオレを入れてシフトを組むんだ。
それでも富樫さんは、学生アルバイトの連中からはかなり慕われていた。
明るいし、食事を奢ってやったり車で送ってやったりと、いい兄貴分なんだ。
オレに対する態度とは、全然違う……。