流れ星スペシャル
「付き合ってんの? 自分ら」
「あっ、ちがうちがう。桂木さん結婚してんねん」
アズは慌ててそう言った。
「桂木さんの奥さん、めっちゃキレイな人やよ。わたしの先輩で会社一の美人と電撃結婚したんやから」
「あー…。なんかそんな話してたわ。ほんまやったんや、あれ」
夕方、バイト学生たちとモメたときのことを思い出した。
「え、話してたって何を?」とアズ。
「アルバイトの女子大生に『キミやったら、うちの嫁のほうがよっぽどキレイです』って、言い放っとったで、あの人」
説明すると長くなるので、かなり省略してそう言った。
するとアズの目がまん丸くなる。
「桂木さんて、そういうこと言っちゃう人なんや。やっぱ読まれへん、あの人……」
「やっぱって?」
「ちょいちょいビックリさせられてるもん」
とアズは小さく息をついた。