流れ星スペシャル
「純情な人なんかなって思ってたら、知らんうちにライバルたくさん蹴落として、リカコさんと結婚しちゃうし……。いきなり披露宴の招待状が来て、みんなビックリしたんやから」
「はは、アズ、それ見て泣いたんやろ」
思わずそう言ったら、持ち帰りのパックをしまう彼女の手が、ピタッと止まった。
わ、図星やったか。
もしかして、シャレにならんくらいの……?
「コラッ。大人の女性をからかうもんじゃありません!」
マズイなと思ってたら、パコッと頭を叩かれた。
「イテッ! どこが大人の女性やねん」
大げさに頭を押さえて口をとがらせると、アズはケラケラ笑ってくれた。
「なぁ、トシくんって、安西俊也?」
「え、そうやけど」
「ふ~ん、あんたか……」
急にフルネームで呼ばれ、意味深にうなずかれて、なんだか居心地が悪くなる。
「なんでオレの名前知ってるん?」
「フフ。この店の経理事務は、わたしがしてるって言うたでしょ。あんたのお給料振り込んでるの、わたしやもん」
あー、そーゆーことか。