流れ星スペシャル
「帰るで、オレ」
つきあいきれんから、そう言い残して店を出た。
「お疲れっ」
その背中に元気な声がかかる。
わからん……。あいつ。
外は当然真っ暗。
古着屋、雑貨屋、ハンバーガーショップ。
並びの店はとうに閉店していて、アーティスティックに施された落書きが、閉ざされたシャッターをカラフルに飾っていた。
夜風がひんやりと心地いい。
火照った体が徐々にヒートダウンしてくる。
なんか、体の疲れとは裏腹に、頭の中はどんどん覚醒されていく感じ。
空を見あげると、小さな星が一粒二粒、ちらちらと瞬いていた。