流れ星スペシャル


「普通あんだけ蹴られたら、言い返すなり、にらみつけるなり、怒るやろ? それともビビってまうとか、泣くとか……」

「はぁ」

「あいつ何? どんだけ蹴られても、ニコニコ寄ってくるねん」

「あはは」

「あははやないって。あーゆー腹で何考えてんのかわからんやつが一番恐いんやぞ」


どうやら西条さんは、本気でオレを心配してくれているらしい。


「サラリーマンなんて籍が保証されている分、保身のためやったらなんでもするねん。お前なんか、簡単に利用されるだけやからな」

「利用ですか?」

「何かまずいことがあれば、全部お前のせいにされる。お前らを庇おうなんて気は、さらさらないってこと」

「はぁ」


「耳に優しいこと言って、下手に出て、しんどいことは押しつけて……。で、実績があがったら、自分だけの手柄にして本社に戻る気やろ。元々営業マンなんやから、お好み焼き屋の店長なんか続ける気あるかい」

「そう……かな」


西条さんの言うことはそれなりに説得力はあるけれど……。

桂木さんって、そーゆー人かな?

いずれ本社に戻る気なんかな……?


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