流れ星スペシャル


「沢井さん問題? アズですか?」

「うん……。いつまでも甘えてるわけにもいかんやろ」

と言葉が重い。


「沢井さんは9時には会社へ出勤して、OLとして夜まで働いてる。それからここへ手伝いに来てくれてるから、結構キツイはずやねん」

「あー」


確かに。

アズにはいつも一番最初にあがってもらっているけど、どうしたって10時や11時にはなる。

つーか、もうレギュラーメンバーとして、シフトにがっつり組み込まれている感じ。


「でもアズがいなけりゃ店がまわらんでしょ」

「そこやねん」


桂木さんがタメ息をついた。


「アズをこっちに配属してもらうわけにはいかないんスか?」

「それは……。女子社員をひとりこっちに、って言われてはいるけども……」

「だったらええやん。アズなら問題ないと思いますよ。客あしらいとか、うまいですし」

「いや、こっちがよくても向こうは……な」


桂木さんが苦笑した。


「え、イヤなん?」

「たぶん」

「でもあの子、楽しそうにやってますよ。接客好きなんかと思ってたけど」

「ん~……それはヘルプやから」


と桂木さんは言った。


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