流れ星スペシャル
オレがそう言うと、ユースケは悲愴な顔をした。
「そんな……。悪いのは向こうです。西条さんに何をされても、店長はいつもニコニコペコペコがまんしてたのに、今日はボクらのために立ち向かってくれたんです」
「それはオレもわかってる」
あんなに安い脅し文句にのっけられて、あんなに熱くなって……、全然らしくなかった。
「なのに、なんで店長が店を辞めなきゃならないんですか?」
ユースケはまた涙目になっている。
「店をクビなら、まだマシなほうやで。本部から正式に抗議されたら、桂木さん会社を辞めさせられるんちゃうか」
「ええっ」
「ことは傷害未遂、いや殺人未遂のレベルやからな」
「そんなぁ……」
世の中たぶん、そんなもんや。悔しいけど……。
ヒソヒソささやくオレらには気づかず、桂木さんはひとり厨房で立ち尽くしていた。
ぼんやりと動かないから、やっぱさっきのことで動揺しているんだと思う。
「おはようございま~す」
ちょうどそこへ、うるるんが出勤してきた。
「あ……おはよう」
やっと気づいて、桂木さんがこっちを向く。
作り笑顔が引きつっていた。