流れ星スペシャル


うるるんはオレらを追い越して、事務室へと歩いていく。


「も~店長! また割ったん?」


途中厨房をのぞいて、大きな声をあげた。

床に散らばるビール瓶のかけらを発見したらしい。


「あ、うん。ゴメン」


苦笑する桂木さん。


「しょーがないなぁ」


ケラッと笑って、うるるんが聞いた。


「西条さんは?」

「えっ」

「もう休憩行ったん?」

「え、あ、いや、えっと……もう帰った、んかな? たぶん」


桂木さんがしどろもどろになっている。


「何それ? 知らんの?」

「いや、え~と、ちょっと怒らせてしもてな……。もう来てくれへんかも」


モソモソッと続けた桂木さんの言葉に、うるるんは歓喜の声をあげた。


「やったぁ! 二度と来んな~! ウチあいつ大キライやもん」


喜ぶうるるんとは対照的に、桂木さんがハ~とタメ息をつき、がっくりとうなだれる。

やっちまった感満載の桂木さんを見ながら、ユースケがささやいた。


「店長がもし会社をクビになったら、ボクらでバイトに雇ってあげましょ」

「はは、そんなんあり?」


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