流れ星スペシャル
「そこ! 口じゃなくて手を動かせっ」
すかさずトシくんの大声が飛ぶ。
「やっぱ厳しいっスね、うちの司令塔は」
と、ユースケくんが持ち場へついた。
ガシャーン、とそのときお皿が割れる音がして、振り返ると桂木さんがあわてている。
わ、また……。
「またっスか? 店長はデカいのに動きが雑やねん」
「ゴメン」
尖るトシくんの言葉に素直に謝る桂木さん。
「まー、トシの敬語なんてあの程度やけどな」
うるるんが小声でささやいた。
「ふふ。敬語なん、あれ?」
ふたりして笑ってしまう。
それからお米をジャーにセットして、ポンとスイッチを押したところで、トシくんに話しかけられた。
「なー、アズ。あれは何なん? 前から気になってたんやけど」
「あれって?」
トシくんの視線をたどると、桂木さんがほうきとチリトリを持って、割れたお皿を片づけている。
「見ててな、絶対拝むから」
「拝む?」
桂木さんはチリトリに集めた欠片をワレモノ用のゴミ箱に捨て、それからそのゴミ箱の上の棚にある貯金箱にお金を入れた。
食器を割ったら100円払う罰金ルールのやつ。