流れ星スペシャル


食べてしゃべって宴もたけなわとなった頃、うるるんが桂木店長の腕を取った。


「飲んでる? 店長」

「うん、飲んでるよ」


そう、店長かなり強い。さっきからずいぶん飲んでいるはずだけど、いつもとほぼ変わらない。

特に乱れるでもなく、ただ淡々と飲んでいた。


「店長、だ~い好き!」


うるるんは店長の腕にぴっとりとくっつき、寄りかかる。


「えー……あいつ酔っぱらってんの?」


と聞いたのはトシさん。


「いや、ノンアルだと思うんスがね」


うるるんもボクも未成年なので、アルコールはNGだと店長から言われていた。

だからうるるんのグラスに入っているのはノンアルコールビールのはず……。


「じゃーあれ、マジでやってるん?」


店長にしなだれかかったうるるんは、甘えた声で質問を連発している。

『店長はどんな女の子が好き?』とか
『うちのことどう思う?』とか。


「店長のこと、案外マジで好きなんかもしれません。休憩時間もうるるんは、店長の話が一番多いですし」


「すみませ~ん。おかわりー!」


そのとき横でアズちゃんが大きな声で店員を呼んだ。


「梅酒サワーね」


こちらは成人。
急に飲み放題のピッチがあがった様子……。


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