流れ星スペシャル


「納期のことで客先とモメててな、商談長引きそうやわ。桂木、怒られに行っとる」


「そう…ですか。何時ごろ戻られるんでしょう?」


「ん~、あと1時間はかかるかな。沢井さん、もう帰るよな? どうしよ、領収証どこにあるか、わからへんねん」




ハン、しらじらしい。桂木さんが帰るまで待っとけってことやろ?


とは言え、月末と週末が重なる今日、請求書の作成やら、データ入力やら、実は残業必至の状態ではあった。




「いいですよ、残業しますし。その間に戻られなければ、月曜の朝一にブッ込むことにしますんで」


「おっ、ブッ込むって今月分にすべり込ませてくれるってことやんな? ありがとう、助かるわ。いや、ホンマありがとう、ありがとう」


と、また軽々しく連呼して、その人は自分のデスクへ戻っていった。はぁ……。


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