流れ星スペシャル
「いや~ん、めっちゃカッコいー」
「男っぽ~い」
「ヤバいヤバいヤバい」
キャッキャとはしゃぐ後輩3人。
「沢井が、ホストしてる子がアルバイトにいるって言うからさ~、みんなで見に来たよ」
な~んて、綾香さんが笑った。
「そんなこと言うたっけ?」
「うん。この前沢井、電話してきたやん。誰かバイトに来てくれそうな子おらん?って」
「あー」
学生さんやホストの掛け持ちやってる人に、ムリしてずっと入ってもらってるから、って相談したんだった。
「はじめまして。安西俊也です」
そのとき鉄板の向こうから、トシくんがニコッと笑った。
必殺、華麗なるスマイル。
だけどいつもよりちょっとだけシャイな感じ……。
後輩3人が、いや、綾香さんも入れて4人がもれなくポッとなる。
「スゴイ、トシくん。そんなんできるんや」
思わずそうつぶやいた。
「何が? オレ普通にあいさつしただけやけど」
「いやいや、わたしにはそんな顔したことないやん。何、そのちょっとはにかんだような可愛い笑顔」
「は? なんでオレがアズに可愛く微笑まなあかんねん」
こっちの文句など軽く流して、トシくんは手元のお好み焼きに視線を落とした。