流れ星スペシャル
「あの~、ホストの人って、ここに飾ってるだけですか?」
パネルを指して聞いてみた。
「いや、写真があるのはレギュラーメンバーだけ。他にもホストはいっぱいおるよ」
めいっぱいカッコつけて、そう言われる。
「週一だけって人もいる?」
「うん。週一も週二も週三もフツーにいるけど……彼女たち、ご来店?」
細い目をなおも細めて小首を傾げ、金髪くんはわたしたちに聞いた。
「はい、2名です」
ちょっと緊張してそう答えると、金髪くんはわざとらしく眉根を寄せる。
「ゴメンな~。もう閉店やねん」
はっ?
「もう閉店?」
「夜通しやってるんとちがうの?」
うるるんとわたしは軽くパニック。
だってだって、入店拒否とかありえないから!
「うん。第一部は深夜1時で終了やから、入店は一応0時までやねん。でも安心して! 夜が明けたら二部が始まるから、それまで一緒にカラオケでもどう?」
なんて言われた。
「「えー……」」
わたしたちは愕然と顔を見合わせる。
そういえばトシくんの名刺にも、営業時間が書かれてたっけ。
『第一部 18:00~ラストまで
第二部 日の出~ラストまで』
なんてアバウトなやつ。
まさか流れ星より早く店が閉まるとは考えていなかった。
「風営法ってやつ? ホストクラブの深夜営業は、結構厳しく規制されてんねん」
絶句しているわたしたちに、金髪くんはそう説明してくれた。