流れ星スペシャル
と、そのとき店のドアが開いて、中から人が出てきた。
濃いめのメイクをしたエレガントな熟女と、その横にぴったり寄り添う長身のホスト……。
「タクシー」
そのホストの指示で、金髪くんがタクシーを拾いに通りへ走る。
「また来て下さい。オレ、毎日待ってますし……」
ちょうどわたしたちの目の前で、ホストが熟女にハグをした。
「アズちゃん、あれやで」
こっそりささやいたうるるんの指す先には、一番大きなパネルがあった。
その中で、目の前のホストさんが余裕の笑みを浮かべている。
おー……。ナンバー1の人か?
「さすがやな」
「うんうん」
実際に動きささやく生身のホストは、ちょっとドキドキするくらいのオーラがあった。
金髪が捕まえたタクシーまで熟女をエスコートしていき、ホストさんは最敬礼でそれを見送る。
「何してんの?」
それからこっちに戻ってきて、わたしたちに優しく話しかけた。
「なんか、伝説のホストを探してるらしいっス」
横から金髪が出しゃばって答える。
「伝説のホスト?」
「はい」
いや、いるわけないけど、伝説のホストなんて。
だけど
「トシヤくん、かな?」
とその人は言った。
え……。