流れ星スペシャル
開けて月曜の朝――
オフィスで大変なことが起こった。
わたしのパソコンの受信BOXにイヤなメールが届いていたんだ。
『長い間お世話になりました。突然ですが今日限りで辞めさせて頂きます』
差出人名は富樫剛。うちの会社が経営するお好み焼き店の店長だった。
「え、」
と思わず声が出る。
「どしたん?」
向かいの席から綾香さんが聞いた。
「えっと……、転送します。流れ星の店長、会社辞めるみたいです」
「流れ星って、あのお好み焼き屋の?」
「はい。メールは社長宛てなんですけど、わたしのとこにもCC入ってて……」
『流れ星』というのは、全国展開するお好み焼きのチェーン店で、そのフランチャイズの1店舗を、うちの会社が手掛けている。
オモチャ部品の商社である我が社が、2年前から新しい試みとして参入した事業だった。