流れ星スペシャル


それでもめげずに後輩のミユちゃんは、並びに座る綾香さんのパソコンを覗きながら言った。


「でもこの人、もう来ないってことですよね? お店大丈夫なんですか?」


「そうや、店長がいなくても営業できるん?」


ミユちゃんに続いて、綾香さんまでわたしに聞いてくる。




「さぁ。アルバイトでも焼ける人、何人かいるとは思うけど……」


富樫店長が休みの日には、大学生のアルバイトさんたちが、年中無休のこの店を回してくれていたはずだった。


でも毎日となると、どの程度任せられるのかな……?




「わざとやわ」


綾香さんが低い声を出した。


「え?」


「仕返しやな、これ」


「仕返し?」


「うん。だってな、この文面『ありがとうございました』も、こんなに迷惑かけるのに『すみません』の一言もないねんで。よっぽど不満があったんちゃうかな? 仕返しに困らせたろって思うくらい」


えー……。


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