流れ星スペシャル
そうして、桂木さんの部屋の前で、あらためてチャイムを鳴らす。
「どーしたんです?」
すぐに出てきた桂木さんは
Tシャツにスエットパンツ。
お風呂に入ったあとなのか、髪が濡れていた。
このオフ感は、なんか初めて……。
あ、いや、ときめいている場合じゃない。
「あのっ」
突然家まで押しかけてきた理由を、説明しなくちゃ。
「桂木さんがこの前みたいに酔いつぶれてるんじゃないかと心配で……それで様子を見にきました」
とりあえず本当の気持ちを告げてみた。
「なんだ、ビックリした。でもそれなら大丈夫です。今夜は全然飲んでないから」
桂木さんがふわっと微笑った。
え。
「そー……なん……だ?」
そ、それは想定外。
だってわたし、ぐでんぐでんの桂木さんを介抱するために、ここまで来た。
リカコさんへの報われない想いを手放せなくて、苦しんでいる桂木さんを……なぐさめたいと思ったから。