流れ星スペシャル


「おはよう」


爽やかな笑顔。


「お、おはよ……」


面食らって、ぽつっと答える。

えっ……と、
どこまでが本当だっけ。


『幸せにする』って言ってくれた。

両想いになれたんだって涙が出た。

肩を……抱いてくれた?

『梓』って呼ばれたのは、夢の中かな?


でも、優しい感触が残っているような……。

指先でそっと、自分の唇に触れた。


「えっと……、どっからが夢かわかんなくて」


戸惑いをそのまま口にしたら、彼は照れくさそうに笑った。


「全部本当だから」


なんて、わたしがどんな夢を見たのか知らないくせに。

キスされた夢だよ、なんて恥ずかしくて言えなかった。


「あの、ごめんなさい、寝ちゃって……」

「いや、可愛かったです」

「え?」

「寝顔、ずっと見てた」


ヒィ……。

リクライニングを倒されたことにも気づかなかったくらいだもん。

きっと口を開けて爆睡していたにちがいない。

そんな顔を見られたなんて……。

ふ、不覚……。


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