流れ星スペシャル
昼休み――
オレは谷町の定食屋にいた。
午後から訪問予定の会社の近く。
電車で二駅ほどあるのに、事務所を出てぼんやり歩いていると、いつのまにかここまで来ていた。
サラリーマンでごった返すその店の、壁際奥の小さな卓。
「お待たせしました」
そこへトンと、注文した日替わり定食が運ばれてきた。
ん? 味せーへんな、これ……。
一口食べたが、何の味もしない。
仕方がないので、生姜焼きの豚肉に一味唐辛子を振ってみる。
「あ」
気がつくと、振り過ぎて肉が真っ赤になっていた。
はぁ……。
平常心なんて、どっかへ飛んで行ってしまった。
それどころか、突然青空がぱっかり割れ、落ちてきた雷に直撃されたところ。
まさに青天のヘキレキってやつだ。