流れ星スペシャル
今から飲食業への転属はキツい。
自信がないし、うれしいことでは決してない。
だって、わたしがこれまで積みあげてきたものは、会社にとってなんの値打ちもないものだったと、突きつけられるだけだから。
でも……。
だけど……。
それを言いたいのは、桂木さんのはずなんだ。
「すみません。困らせてしまって」
なのにそう謝ったのは、桂木さんのほうだった。
「やっぱ、そーですよね」
と苦笑している。
それから桂木さんは、わたしに向かってこう聞いた。
「アルバイトの名簿かなんかありますか? 電話して召集せなあかんから」
「う、うん」
急いでファイルを取り出し、桂木さんに開いて見せる。
「バイトの人は入れ替わりが早いから、最近お給料の出てるこの十名ちょいが、今いる人。こっちに電話番号も書いてあるから」
「はい」